日本サッカー Jリーグの逆襲

誤審防止対策 JリーグへのVAR導入

ベテランの強さ

日本のサッカーリーグであるJリーグにおいて、2019年度から「ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)」が試験導入という形で運用されます。

サッカーの試合では、ルールに従ってプレーをしているかどうかを判定する主審や副審が、数人程度必要です。ただ、人間の手でルールを確認するため、誤審判定が起こることもあります。

ルールの判定を映像によって判断する副審の代役として、「VAR」が2018年のFIFAワールドカップで導入されました。

2018年のFIFAワールドカップでは、誤審の可能性が高い、重大な判定シーンにおいて、VARが多数用いられました。 ワールドカップ決勝戦では、クロアチアの選手によるハンドリングが発生し、フランスにペナルティーキックが与えられた例があります。それまで両チームとも同点だったものが、この判定を境としてフランスが大量リード、優勝をすることができました。このように、VARを導入することは、重要な場面で正確な判断を下すことが期待できる他、判定により試合展開を左右する可能性もあります。

Jリーグでも、2017年度J2リーグにおける町田ゼルビア対名古屋グランパスにおける、タックルしていない選手へのレッドカードなど、誤審が問題視されています。2019年度では、「ルヴァンカップ」のプライムステージ全13試合及び、J1参入プレーオフ決定戦でVARが導入される予定です。

いずれもJリーグにおける重要な試合であるため、より精度の高い判定と、誤審を減らすための効果が期待できます。

湘南ベルマーレが取り入れる最新の戦術とシステム

最先端のヨーロッパサッカーを見ているとポジショナルプレー対ストーミングという構図が見られます。ポジショナルプレーとは攻守両面において適切なポジションを取り一試合を通じて試合を支配しようという考え方です。
これに対して、ストーミングとはポジションのバランスはそれほど重視せずに、守備時にはボールロスト後すぐにボールに対して激しくプレスをかけ、攻撃時は最短ルートでゴールを目指します。

ベテランの強さ

日本ではまだまだポジショナルプレーのように、試合を支配することこそが強者のスタイルとされていますが、2018年のルヴァンカップ決勝では1-0で横浜マリノスを下した湘南ベルマーレがストーミングの威力を見せつけました。

横浜は両サイドバックが若干インサイドぎみにプレーする、いわゆる偽SBという戦術を採用していますが、これはグアルディオラも採用する典型的なポジショナルプレーのスタイルです。
これに対して湘南ベルマーレは左右の偽SBをボール奪取のターゲットとするべく、2枚のシャドーストライカーを配置します。試合が始まると湘南ベルマーレは思惑通り横浜の両SBからボールを奪い、ショートカウンターを繰り出します。試合が進むにつれて、横浜マリノスは両SBをサポートすべくウィングが低い位置まで降りてきます。
しかし、これでは湘南のウィングバックが高い位置を取れるので横浜マリノスはますます自陣に押し込まれ、湘南ベルマーレのプレスに苦しむことになりました。

ぼんやりと湘南ベルマーレの試合を見ていると、ただやみくもハードワークをしているようにも見えますが、ルヴァンカップ決勝に見られるように、相手に試合を支配させないシステムと最先端の戦術を取り入れていることがわかります。